HEIC → JPG 変換について
2017 年の iOS 11 以降、iPhone のカメラは既定の「高効率」設定で写真を HEIC として保存しています。HEIC とは、最新の動画にも使われるコーデック HEVC で圧縮した HEIF 画像(MPEG 規格、ISO/IEC 23008-12)のことです。問題は、写真が Apple のデバイスの外に出たときに起こります。デスクトップや Android の Chrome、Edge、Firefox は HEIC を表示できず、求人・賃貸・学校のポータルの多くは .heic ファイルを受け付けず、Windows を使う友人には真っ白なアイコンしか見えないこともあります。
このページでは、WebAssembly にコンパイルされたオープンソースの HEIF ライブラリ libheif(約 1.4 MB、最初に一度だけ取得し、その後はブラウザにキャッシュされます)で各写真をデコードし、タブの中で標準的な JPG を書き出します。IMG_1234.HEIC は IMG_1234.jpg になり、名前が重複した場合は「 (2)」が付きます。1 回の実行で最大 500 枚まで処理でき、登録・透かし・1 日あたりの上限はありません。
JPG は非可逆形式なので、変換するとちょうど 1 回だけ再エンコードが入ります。既定の画質 92 なら、その 1 回の劣化は拡大してもまず見分けられません。
HEIC → JPG 変換の使い方
- HEIC 写真を追加するHEIC ファイルを変換ツールにドラッグするか、写真ライブラリから選ぶか、「フォルダを追加」で書き出したフォルダをサブフォルダごと取り込みます。Live Photos の .MOV 部分は自動で認識され、別扱いになります。
- 画質・サイズ・写真情報を選ぶほとんどの用途には、元のサイズのまま画質 92 が適しています。メールやアップロードの容量制限が気になるなら、長辺 1920 px が向いています。撮影日時やカメラの情報を引き継ぐには「写真情報を保持」をオンのままにし、写真を公開する予定があれば「GPS 位置情報を削除」にチェックを入れます。
- JPG を保存する各ファイルを個別のリンクからダウンロードするか、「すべてダウンロード(ZIP)」でまとめて取得します。ZIP 内の各ファイルには撮影時刻が記録されるので、展開したファイルは撮影日時順に並びます。
主な利用シーン
JPG しか受け付けないポータル
賃貸の申し込み、求人サイト、学校の提出フォームでは、受け付ける形式が JPG・PNG・PDF だけということがよくあります。物件の写真や証明写真を長辺 1920 px で変換すれば、アップロードが通ります。
Windows や Android の家族と写真を共有
グループの中で iPhone を持っている人だけが週末のいい写真を持っていて、ほかの人には真っ白なアイコンしか見えないことがあります。アルバムを変換し、いつもの方法で ZIP を共有すれば、誰も何もインストールせずに済みます。
古い編集ソフトや店頭のプリント機
デスクトップの編集ソフトや店頭のプリント端末の中には、今も HEIC を読めないものがあります。撮影日時は各 JPG に引き継がれるので、写真管理アプリでも変換した写真が今日の日付ではなく撮影した日に整理されます。
画質スライダーの目安:92、80、100
画質の数値は 50〜100 の範囲で、1 回の再エンコードでどれだけ細部を手放してファイルを小さくするかを決めます。
| 設定 | 見た目の変化 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| 100 | ファイルが最大になる。それでも非可逆で、92 より上げる意味はまずない | ほぼ不要。劣化なしで出力したいなら HEIC → PNG 変換 |
| 92(既定) | 元の写真とほぼ見分けがつかない | 保存用のコピー、印刷、あとでの編集 |
| 80 | 明らかに小さくなる。拡大すると、なめらかな空や細かい質感にわずかなブロック状のノイズが出ることがある | メール、メッセージ、出品、ウェブフォーム |
| 50〜70 | 最小のファイル。大きな画面ではノイズが見える | アップロード制限でほかに選択肢がないときだけ |
ファイルサイズを抑えたいときは、画質を下げるより最大サイズのオプション(長辺 4096、2560、1920、1280 px)を使うほうが、たいてい効果的です。
撮影日時・位置情報・色もそのまま引き継がれます
EXIF データは既定でコピーされます。撮影日時、カメラとレンズ、露出設定、GPS 位置情報です。画素はすでに正しい向きに回転済みなので、向きタグは「標準」にリセットされます。そのため、タグを無視するアプリでも写真が横倒しで表示されることはありません。
公開する前には位置情報に注意してください。自宅で撮った写真や、売りに出す品物の写真には、誰でも読み取れる座標が含まれています。GPS 位置情報を削除を選ぶと、座標だけを消して撮影日時やカメラの情報は残します。写真情報を保持のチェックを外すと、EXIF はすべて削除されます。
iPhone は広色域の Display P3 色空間で撮影します。pd00 は各写真固有の ICC プロファイルを JPG に埋め込むので、赤や緑がくすんで出力されることはありません。HDR 写真は標準ダイナミックレンジに変換されます。
制限と、別のツールを使うべきとき
- 1 回 500 枚まで。タブの動作を軽く保つための上限です。それより多い書き出しは何回かに分けて処理してください。
- Live Photos は静止画になります。pd00 は動画を変換しないため、動きの部分は残りません。
- 端末のメモリが影響します。大量の一括処理は、スマートフォンよりパソコンのほうが余裕をもってこなせます。
- 対応ブラウザ:最新の Chrome、Edge、Firefox、または Mac・iPhone・iPad の Safari 16.4 以降。
写真が Apple のデバイスから出ることがないなら、変換は不要です。写真の多くが最終的に Windows やウェブで使われるなら、iPhone で設定 → カメラ → フォーマット → 互換性優先を選んでおくと、これから撮る写真は最初から JPEG で保存されます。何度も編集して保存し直す画像には、圧縮が重ならない HEIC → PNG 変換を、レシートや書類のページを 1 つのファイルにまとめるなら HEIC → PDF 変換を、HEIC と TIFF や GIF などが混在するフォルダには画像形式変換をお試しください。
写真はこのタブの中で変換され、アップロードされることはありません。一度読み込めばオフラインでも動作します。ブラウザで確認する方法はこちら。