PDF 圧縮について
PDF は内容の種類ごとに異なる方法で保存しています。テキストは文字と、それを描くのに必要なフォントとして保存され、グラフやロゴはベクター命令であることが多く、写真やスキャンしたページは画像(たいていは JPEG)として埋め込まれています。テキストとベクターはコンパクトで、ファイルを重くしているのはほぼ必ず画像です。
そこでこの圧縮ツールは写真に狙いを定めます。ファイル内の標準的な JPEG 画像を 1 つずつ見つけ、選んだプリセットの上限より大きければ縮小し、低めの JPEG 品質で再エンコードします。再エンコードした写真が元の写真に置き換わるのは、目に見えて小さくなった場合だけです。フォント、テキスト、ベクター画像には手を加えないため、テキストはどれだけ拡大しても鮮明で検索もでき、ページの順序も保たれます。最後に、文書の内部構造をより詰めた形で保存し直します。
常に守られるルールが 1 つあります。追加したファイルより大きなファイルが返ってくることは決してありません。保存し直しても効果がない場合は元のファイルがそのまま返され、結果欄には、すでに十分コンパクトであることが表示されます。
PDF 圧縮の使い方
- PDF を 1 つ以上追加するPDF をツールにドロップするか、クリックして選びます。1 回の実行で最大 500 ファイルまで扱え、順番に 1 つずつ圧縮されます。
- 圧縮レベルを選ぶ「圧縮レベル」で「弱」「標準」「強」のいずれかを選びます。最初は「標準」が選択されています。「PDF を圧縮」をクリックすると、進捗表示が各ファイルの画像を順に数えていきます。
- サイズを比べてダウンロードする各ファイルに圧縮前と圧縮後のサイズが表示されます。1 つずつ保存すると report.pdf は report-compressed.pdf として保存され、複数のファイルは「すべてダウンロード(ZIP)」でまとめて保存できます。
主な利用シーン
メールの容量制限を超えたスキャン済みの申請書
スマートフォンのスキャンアプリで作った 30 ページの PDF が大きすぎて添付できません。「標準」なら各ページの写真を 1,700 px まで縮小するので、画面でも快適に読め、オフィスのプリンターでも問題なく印刷できます。
写真の多い物件資料やパンフレット
不動産の物件資料や製品パンフレットには、カメラで撮ったままの大きさの写真が埋め込まれていることがよくあります。「弱」なら品質 80 で 2,400 px に縮め、余分な解像度を削りながら、印刷にも使えるページを保ちます。
容量制限の厳しいアップロード窓口
求人、学校、行政の窓口では、数 MB までしか受け付けないことがあります。「強」は品質 55 で 1,200 px まで縮小します。それでも収まらない場合は、文書を分割するのが次の手です。
弱・標準・強の比較
| プリセット | 写真の上限(長辺) | JPEG 品質 | 向いている用途 |
|---|---|---|---|
| 弱 | 2,400 px | 80 | 印刷する可能性のある文書。見た目の変化が少なく、ほどほどに小さくなる |
| 標準(既定) | 1,700 px | 68 | メール、アップロードフォーム、画面での閲覧 |
| 強 | 1,200 px | 55 | 厳しい容量制限の下に収める |
数値のイメージをつかむために、長辺が 11 インチのレターサイズのページいっぱいに写真がある場合を考えてみましょう。2,400 px なら 1 インチあたり約 218 ピクセル、1,700 px なら約 155、1,200 px なら約 109 です。画面での閲覧や通常の印刷には 150 程度あれば快適ですが、精細な写真プリントにはそれ以上が必要です。すでに上限より小さい写真は拡大されず、再エンコードだけが行われます。品質の数値はブラウザの 0〜100 の JPEG スケールで、55 ではスキャン内の細かな質感や小さな文字が、わずかにぼやけたりブロック状に見えたりすることがあります。
大きく縮む PDF と、ほとんど変わらない PDF
- 大きく縮むもの:コピー機やスマートフォンのアプリが JPEG のページとして保存したスキャン、スマートフォンの写真から作った PDF、画像の多いパンフレットや物件資料、レポート。
- ほとんど、またはまったく縮まないもの:ワープロソフトから書き出したテキストだけの文書、すでに最適化されているファイル、画像が標準的な JPEG ではない PDF。
再圧縮されるのは標準的な JPEG の写真だけで、PDF 内のほかの種類の画像はそのまま残ります。たとえば白黒のスキャンは JPEG ではなくファクス形式で保存されていることが多いため、ほとんど変わらない場合があります。ファイルが小さくなった場合は、結果欄に再圧縮した写真の数も表示されます。
メールの添付ファイル制限に収めるには
メールサービスでは添付ファイルの上限が 20〜25 MB 程度であることが多く、エンコード後のサイズで数えるサービスもあります。エンコード後はディスク上のファイルより 3 分の 1 ほど大きくなるので、余裕を持たせてください。「標準」で足りなければ、まず「強」を試します。次の手はページ数を減らすことです。PDF 分割で文書を 2 通のメールに分けたり、PDF ページ削除で受け取り手に不要なページを除いたりできます。PDF の元になった写真が手元に残っているなら、JPG → PDF 変換で 1280 px などの小さめの最大サイズを指定して作り直す方法もあります。「ちょうど 1 MB に圧縮」といった設定はなく、レベルを選んで圧縮前後のサイズを確認する仕組みです。
トレードオフと、圧縮しないほうがよい場合
- 写真の細部は減ります。容量が減るのはまさにそのためなので、あとで写真を高画質で印刷する可能性があるなら元のファイルを残しておいてください。
- 公式な原本。金融機関、行政機関、裁判所などから原本のファイルを求められた場合は、圧縮したコピーではなく元のファイルを送ってください。
- パスワードで保護された PDF。先に PDF パスワード解除でロックを解除してください。解除にはパスワードが必要です。
- スマートフォンでの非常に大きなファイル。文書全体がメモリ上に保持されるため、数百 MB のファイルはパソコンで圧縮するほうが確実です。
圧縮はこのブラウザのタブ内で行われ、PDF がお使いの端末から外に出ることはありません。ブラウザの「ネットワーク」パネルで確かめる方法はプライバシーのページで紹介しています。