PDF → PNG 変換について
PNG は可逆圧縮の形式です。描画されたピクセルはすべてそのまま保存され、あとからぼやけやブロック状のノイズが加わることはありません。そのため、文字、細い罫線、グラフ、表、ソフトのスクリーンショットが中心のページに向いています。こうしたページでは、JPG がくっきりした輪郭のまわりに残すかすかなにじみが目立ってしまうからです。何も捨てない圧縮なので、画質を調整するスライダーもありません。
内部では、Mozilla の pdf.js がブラウザ内で PDF を開き、選んだ各ページを指定の解像度でキャンバスに描画し、ブラウザがそのキャンバスを PNG として保存します。ファイル名は PDF の名前にページ番号を付けたもの(manual-p1.png、manual-p2.png など)になり、複数のページを選んだ場合は 1 つの ZIP ファイルにまとめられます。
透過は保持されません
PNG 形式は透明なピクセルを持てますが、この変換ツールでは透過 PNG は作られません。どのページも、PDF ビューアーでの表示とまったく同じように、まず白一色の上に描画されます。そのため、背景が空の PDF として保存したロゴやアイコンも、白い背景の上に載った状態で出力されます。切り抜きのグラフィックが必要な場合は、元のデザインファイルから書き出してください。
PDF → PNG 変換の使い方
- PDF を追加するファイルから PDF を選ぶか、ツールにドラッグします。ページのサムネイルが一覧で表示されるので、変換を始める前に正しい文書かどうかを確認できます。
- ページと DPI を選ぶ最初は全ページが選択されています。サムネイルをクリックすると選択を切り替えられ、2, 6-8 のように番号を入力することもできます。続いて解像度を設定します。画面用なら 150 DPI、印刷や文字認識用なら 300 DPI が適しています。
- PNG ファイルをダウンロードする「画像に変換」を押します。1 ページなら PNG が 1 つ保存され、複数ページなら ZIP ファイルにまとめられます。ZIP ファイルは、パソコンでもスマートフォンでも追加のソフトなしで開けます。
主な利用シーン
ドキュメントや Wiki に載せる図
システム構成図、フローチャート、配線図などは PDF の中に入っていることがよくあります。PNG にすれば Wiki のページ、サポートへの問い合わせ、README に貼り付けられ、細い線も灰色の細かいノイズが乗らずにきれいなままです。
文字認識用のきれいな入力画像
OCR ソフトは、圧縮ノイズのないシャープな画像のほうが文字を正確に読み取れます。スキャンやファクスのページは、普段使っている OCR ソフトにかける前に、300 DPI の PNG で書き出しておきましょう。
トリミングや拡大縮小ができるグラフ
四半期レポートのグラフをプレゼン資料に移したいときは、300 DPI の PNG にしておけば、スライド作成ソフトでグラフ部分だけを切り抜いて縮小しても、軸ラベルがぼやけません。
PNG 出力の解像度の目安
PDF はページの大きさをインチで表し、DPI の設定で 1 インチを何ピクセルにするかが決まります。A4 の用紙(8.27 × 11.69 インチ)の場合は次のとおりです。
- 72 DPI:595 × 842 ピクセル。ファイル一覧やプレビュー画面でどのページかを見分けるには十分ですが、小さな文字は読みにくくなります。
- 150 DPI(既定):1240 × 1754 ピクセル。全画面表示で本文が楽に読め、ファイルサイズも扱いやすい範囲に収まります。
- 300 DPI:2480 × 3508 ピクセル。印刷や OCR で一般的に使われる基準です。OCR では、1 文字ごとに正しく識別できるだけのピクセル数が必要になります。
150 DPI から 300 DPI に上げるとピクセル数は 4 倍になり、PNG ファイルもそれに伴って大きく膨らみます。用途に必要な以上の解像度で描画しても、ファイルが重くなるだけです。
PNG ファイルはどのくらいの大きさになるか
可逆圧縮だからといって、ファイルが小さいとは限りません。PNG は同じ色が続く部分をとても効率よく圧縮するので、白地に黒い文字のページ、表計算の表、線画などは、たいていコンパクトなファイルになります。反対に、写真、グラデーション、紙の灰色のざらつきが写ったスキャン画像は、わずかに色の違うピクセルをすべて記録しなければならず、写真の多いページは JPG にした場合よりかなり大きくなることがよくあります。
パンフレット、雑誌の見開き、スキャンした手紙などには、PDF → JPG 変換や PDF → WebP 変換のほうがたいてい有利です。PNG は輪郭のはっきりした内容に使いましょう。
変換で変わること
- 文字はピクセルになります。PNG 内の文字は選択も検索もできません。文字そのものが必要な場合は PDF テキスト抽出を使ってください。
- 色は画面用に描画されます。印刷用の CMYK のファイルは RGB に変換されるので、色の正確さが求められる印刷の校正には PNG を使わないでください。
- メタデータは引き継がれません。PDF のタイトル、作成者、キーワードは画像にコピーされません。
- 埋め込まれていないフォントは置き換えられます。PDF にフォントが埋め込まれていない場合は似たフォントが使われるため、文字の間隔が元と少し異なることがあります。
- 大きすぎる用紙は縮小されます。ブラウザのキャンバスの上限である 1 辺約 8,000 ピクセルを超えるページは、収まるように縮小されます。たとえば A1 の図面を 300 DPI で変換すると、高さは 10,000 ピクセル近くになります。
- ロックされた PDF は解除が必要です。先に PDF パスワード解除でパスワードを外してください。パスワードを知っている必要があります。
ほかの作業に適した方法
PNG 出力は、ページを画像として取り出すためのものです。本当にほしいのが軽い PDF なら、PDF 圧縮でテキストを保ったままサイズを小さくできます。数ページだけを別の文書にしたい場合は、PDF ページ抽出が何も描画せずにそのままコピーします。逆に PNG 画像を PDF にしたいなら、それは PNG → PDF 変換の役目です。
PDF はこのタブの外に出ません
描画と PNG へのエンコードは、お使いの端末上でブラウザが行い、サーバーは一切関わりません。ページを読み込んだあとにオフラインになっても、ツールはそのまま動作します。何も送信されていないことを確かめる手順は、プライバシーのページで紹介しています。