PDF フラット化について
入力可能な PDF は、1 つのファイルに 2 つの層を持っています。印刷されたフォームそのものと、その上に重なって入力やチェックの内容を保持するインタラクティブなフィールドの層です。フィールドがある限り、文書を開いた人なら誰でも欄をクリックして上書きでき、自動入力の候補やキーボードの打ち間違いで、誰も気付かないうちに回答が変わってしまうこともあります。フラット化はこのインタラクティブな層を取り除きます。各フィールドにその時点で表示されている内容が、周りに印刷された質問や項目名と同じようにページへ書き込まれます。
結果は記入したフォームと同じ見た目です。氏名、日付、金額、チェックを入れたボックスは元の位置に残り、画面で見えるとおりに印刷されます。違いは、どれもフィールドとして選択したり、編集したり、消去したりできなくなることです。コメント、ハイライト、付箋は別の種類の注釈で、このツールはそれらに一切手を加えないため、確認者の指摘はフラット化したコピーにもそのまま残ります。
役立つ点と、その限界
フラット化の目的は、不用意な変更を防ぐことです。受け取った人がクリックするだけで数字を変えることはできなくなり、フォームフィールドを無視したり削除したりするソフトを経由しても回答は失われません。ただし、セキュリティ対策ではありません。高機能な PDF 編集ソフトがあれば、PDF 内のほかのテキストと同じように、ページを変更することは可能です。ファイルを第三者の目から守る必要がある場合は、フラット化のあとに PDF パスワード設定でパスワードを付けてください。
PDF フラット化の使い方
- 記入済みのフォームを読み込む記入済みの PDF をここにドロップするか、タップして選びます。フラット化すると入力できる欄が残らないので、先にすべての回答を書き終えてください。パスワードがないと開けないフォームは、事前に「PDF パスワード解除」にかけてください。この手順にはパスワードが必要です。
- フィールドをフラット化する「フォームをフラット化」を押します。各フィールドの現在の値が、そのフィールドがあった位置にページの一部として描かれ、インタラクティブなフィールド自体は文書から消えます。
- 送信前にコピーを開いて確認するフラット化した PDF をダウンロードし、いくつかの回答をクリックして、もうフィールドとして反応しないことを確かめます。あとで回答を修正する必要が生じたときのために、フラット化する前のファイルは安全な場所に保管しておきましょう。
主な利用シーン
申込書を返送する
不動産会社や学校、人事部門からは、記入用の PDF が送られてくることがよくあります。メールで返送する前に自分のコピーをフラット化しておけば、相手が読む内容は自分が入力したとおりのままで、相手側でうっかり消されたり打ち直されたりすることもありません。
フォームをほかの書類とまとめる
ファイルの結合、用紙サイズの変更、1 枚に複数ページを並べる印刷を行うと、フォームフィールドが取り残されることがあります。先にフォームをフラット化すれば回答が通常のページの内容として引き継がれるので、まとめたファイルやサイズを変えたファイルにも、空欄ではなく回答が表示されます。
提出した内容を記録として残す
保管する記入済みの保険金請求書、経費精算書、登録申請書は、何年後に見ても同じ回答を示しているべきです。保管用のコピーをフラット化しておけば、のちのクリックで実際に送った内容が上書きされることはありません。
フラット化の前と後のフォーム
| フォームの要素 | 入力可能な元ファイル | フラット化したコピー |
|---|---|---|
| 入力した回答 | クリックして編集できるフィールドに保存 | ページの一部になり、以前と同じように表示・印刷される |
| チェックボックスと選択肢 | チェックの付け外しや切り替えが可能 | その時点の状態で固定 |
| 空欄のままのフィールド | まだ記入できる | 入力できる欄は残らない |
| コメントとハイライト | あり | そのまま残る |
| 高機能な PDF 編集ソフトでの変更 | 可能 | 引き続き可能 |
フォームを入力可能なままにしておくべきとき
- まだ別の人が記入する欄がある。フラット化すると残りの欄は消えてしまいます。入力可能な版を順に回し、最終版だけをフラット化してください。
- 受け取る側がフィールドのデータを自動で読み取る。返送されたフォームのフィールドから回答を抽出して集計する組織もあります。フラット化したファイルには抽出できるフィールドデータが残らないので、フォームを変更せずに返すよう求められた場合はその指示に従ってください。
- PDF にすでにデジタル署名が付いている。署名済みの PDF に何らかの変更を加えると署名が検証できなくなり、フラット化も変更にあたります。先にフラット化し、署名はそのあとにしてください。
- そもそもフィールドがない。紙のフォームをスキャンしたものや、テキスト注釈で書き込んだフォームには入力可能なフィールドがないため、このツールで変換するものがありません。
ファイルサイズ、文書のプロパティ、プライバシー
変換されるのはフォームフィールドだけです。本文のテキストやロゴからスキャン画像まで、ページのそれ以外の部分はフォームの一部ではなく、このツールの処理対象でもないため、ファイルサイズは通常、元とほぼ同じになります。アップロード先の窓口でフラット化したファイルが大きすぎると拒否された場合は、PDF 圧縮で小さくしてください。フォームの文書プロパティには、テンプレート名や作成者が残っていることもあります。送信前に PDF メタデータ編集で確認するか消去しましょう。
ページ数の多い長いフォームはメモリを多く使うため、スマートフォンよりノートパソコンやデスクトップのほうが楽に処理できます。記入済みのフォームには個人情報が多く含まれがちです。だからこそ、フラット化はこのブラウザのタブ内で行われ、ファイルがアップロードされることは一切ありません。プライバシーのページにある手順で、ブラウザに備わったツールを使って確認できます。