PDF メタデータ編集について
PDF にはページのほかに、自身についての短い情報を保存できます。タイトル、作成した人、内容の概要、作成に使ったソフトなどです。読んでいるときには目に入りませんが、ビューアーの文書のプロパティ画面に表示され、パソコンのファイル検索で拾われることもあり、ビューアーやブラウザによってはファイル名が表示されるはずの場所にタイトルが表示されます。このツールはそれらのプロパティを開いて書き換え、結果を新しい PDF として保存します。
編集できる項目は 6 つです。タイトル、作成者、サブタイトル(Subject)、キーワード、作成アプリケーション(Creator。元の文書を作成したアプリ)、PDF 変換ソフト(Producer。PDF ファイルを書き出したソフト)です。作成日と更新日も表示されるので、ファイルがいつ作られ、最後にいつ変更されたことになっているかを確認できますが、これらは参照用で、編集はできません。
「メタデータをすべて削除」オプション
PDF はこれらの情報を 2 か所に同時に保存していることがあります。古くからある文書情報辞書と、多くのプログラムがそれと並べて書き込む XMP メタデータストリーム(XML のブロック)です。「メタデータをすべて削除」を使うと、その両方が消去されます。これは重要な点です。一方だけを消しても、もう一方に同じ作成者名のコピーが残り、そこを参照するプログラムなら読み取れてしまうからです。
PDF メタデータ編集の使い方
- 文書を読み込むPDF を選ぶか、ツールにドロップします。現在のプロパティが編集欄に読み込まれ、その横に作成日と更新日が表示されます。開くのにパスワードが必要なファイルは、先に「PDF パスワード解除」でロックを解除してください。
- 情報を編集または消去する変更したい項目は上書き入力し、共有したくない項目は空にします。1 つずつ消す代わりに「メタデータをすべて削除」を選べば、一度にすべて取り除けます。
- 更新したコピーを保存する「メタデータを保存」を押すと新しい PDF がダウンロードされ、開いた元のファイルはそのまま残ります。コピーをここで開き直すか、ビューアーのプロパティ画面で開くと、新しい値を確認できます。
主な利用シーン
残ったままのタイトルを差し替える
テンプレートから書き出した文書には、「無題」や古い下書きの名前がタイトルとして残っていることがよくあります。ブラウザや検索エンジンが訪問者にタイトルを表示することもあるので、ウェブサイトで PDF を公開する前に正しいタイトルを設定しましょう。
自分の名前を付けずにファイルを共有する
多くのアプリは、ファイルを作成したパソコンのアカウント名を作成者欄に自動で入力します。匿名の査読、匿名アンケートの報告書、コンテストの応募作品などでは、文書を送る前に作成者欄を消すか、メタデータをすべて削除してください。
マニュアルや請求書のライブラリにタグを付ける
関連する PDF に、製品ラインや取引先コードなど統一したサブタイトルとキーワードを付けておきます。多くのパソコンのファイル検索はこれらのプロパティにも一致するので、目的の文書が早く見つかります。
項目ごとのガイド
| 項目 | 通常入っている内容 |
|---|---|
| タイトル | 読み手に見せる文書の正式名称。例:「2026 年度 入居者ハンドブック」 |
| 作成者 | 責任者となる人や組織。ユーザーアカウントから自動入力されることが多い |
| サブタイトル(Subject) | 文書の内容を 1 行でまとめた概要 |
| キーワード | 検索用の語句。通常はカンマ区切り |
| 作成アプリケーション(Creator) | 内容を最初に書いたりデザインしたりしたプログラム |
| PDF 変換ソフト(Producer) | その内容を PDF ファイルに変換したプログラムやライブラリ |
| 作成日と更新日 | ファイルが作られた日時と最後に変更された日時。ここでは表示のみで編集不可 |
ファイル名は別の話です。ファイル名は PDF ではなくパソコンのファイルシステムに属するものなので、名前自体が必要以上の情報を含んでいる場合は、ダウンロードしたファイルの名前を変更してください。
ほかの場所にある見えない情報
プロパティを消去して取り除かれるのは、文書レベルの情報だけです。PDF のほかの部分から情報が漏れることもあります。
- ページそのもの。レターヘッド、フッター、署名欄にある名前はページの内容です。共有すべきでないページは PDF ページ削除で丸ごと取り除いてください。
- PDF 内の写真。埋め込まれた写真は、カメラの情報や GPS 座標を含む独自の EXIF を持っていることがあり、このツールは画像の中までは扱いません。pd00 の HEIC → PDF 変換や JPG → PDF 変換で写真から作った PDF には、最初から EXIF が含まれません。
- コメント。注釈には通常、作成者のプロパティとは別に、書き込んだ人の名前が記録されています。
- トリミングで隠した範囲。PDF トリミングで切り取った内容は隠れているだけで削除されていないため、ファイル内に残っています。
画質・ファイルサイズと処理の場所
プロパティの編集はページに影響しません。テキスト、画像、フォントは元のまま保存されるので画質は落ちず、ファイルサイズもほとんど変わりません。大きな XMP ブロックを削除すると、わずかに小さくなることがあります。非常に大きな PDF はコピーを書き出す間にかなりのメモリを使うため、デスクトップやノートパソコンで扱うのがおすすめです。
メタデータを編集する理由はたいていプライバシーなので、先にファイルをサーバーへ送ってしまっては意味がありません。アップロードは一切なく、PDF はこのタブ内のコードで読み込まれ、書き直されます。確認方法はプライバシーのページで説明しています。