PDF 透かし追加について
透かしがあれば、文書を手にした人は 1 行も読まないうちに、その文書がどういう位置付けのものかがわかります。引用してはいけない下書きなのか、署名済みの原本ではない写しなのか、特定の相手だけに向けたファイルなのか。このツールは、入力した文字を PDF の全ページに書き込みます。ページの中央に 1 つだけ置くことも、タイル状に繰り返してページを端から端まで覆うこともできます。
見た目は自分で決められます。既定では、文字はグレーで高さ 48 ポイント、不透明度 20%、45 度の斜め向きです。ひと目で気付く一方で、ページが読みにくくなることはありません。不透明度は 10% から 60% まで、色はグレー・赤・青・黒から、角度は斜めか水平から選べます。
文字は、コメントや注釈の別レイヤーに置かれるのではなく、各ページの内容そのものの一部になります。これには実用上の効果が 2 つあります。まず、透かしはページと一緒に印刷され、ビューアーでコメントを非表示にする設定にしても消えません。次に、ページのほかの部分は描き直されません。下にある元のテキストは選択も検索もできるままで、画像は画質を保ち、ファイルサイズもほとんど増えません。ラテン文字は、どの PDF リーダーにも備わっている標準フォントの 1 つ、Helvetica Bold で描かれます。それ以外の文字では、入力した数文字分だけがフォントから埋め込まれます。
PDF 透かし追加の使い方
- 文書を開くPDF をツールにドラッグするか、ファイルから選びます。パスワードで保護されたファイルは、透かしを入れる前に「PDF パスワード解除」にかける必要があり、そのためにはパスワードがわかっていなければなりません。
- 文字を入力して見た目を整える「透かしの文字」欄には最初から「社外秘」と入っています。そのまま使うか、「下書き」「社内限り」などに書き換えてください。DRAFT のような英単語も使えます。続いて文字サイズ、不透明度、角度、色を設定し、配置を「中央に 1 つ」か「タイル状に並べる」から選びます。
- 透かし入りの PDF をダウンロードする「透かしを追加」を押して結果を保存します。何ページかスクロールして仕上がりを確かめ、紙に印刷する予定ならテスト印刷もしておきましょう。薄いグレーは、プリンターによっては画面より明るく出ることがあります。
主な利用シーン
契約書の案を回覧する
条件案を送って意見を求める前に、各ページに「下書き」の文字を斜めに入れておきます。作業中の版を最終的な契約書と取り違えたり、誤ったファイルに署名したりする人が出るのを防げます。
身分証や銀行取引明細のスキャンを送る
賃貸物件の管理会社や勤務先から証明書類の提出を求められたとき、スキャン全体に「賃貸申込以外には使用不可」のような一文をタイル状に入れておけば、そのコピーが転送されても、ほかの目的には流用しにくくなります。
授業用の資料や見本に印を付ける
読み物の資料を配る先生や事務担当者は、薄いグレーで「コピー」や「見本」と入れておけます。手元の原本と配布したものとが、ひと目で見分けられるようになります。
本文を読みやすく保てる設定の選び方
- 中央に 1 つか、タイル状か。「下書き」のように文書の状態を示すラベルなら、中央に 1 つで十分です。タイル状に並べるとページ全体に文字が繰り返されるため、隅を 1 か所切り取るだけでは消せません。個人の書類のスキャンに向いています。
- 不透明度。全文を読んでもらう必要があるページでは 10〜20% 程度に抑えます。透かしをはっきり目立たせたい校正刷りや見本には 30〜60% を使います。
- 色。グレーは無難な選択で、赤は緊急性を伝えます。白黒プリンターではどの色もグレーの濃淡になるので、色合いではなく不透明度で仕上がりを判断してください。
- 長さとサイズ。長いフレーズを 48 ポイントで入れると、特に小さなページの斜め方向では窮屈に見えることがあります。そうなったら文言を短くするか、文字サイズを下げてください。
透かしの文字に使える言語
英語やそのほかの西ヨーロッパの言語、数字、日常的な記号は、PDF の規格に組み込まれたフォントである Helvetica Bold で描かれるため、何も埋め込まれません。この範囲を超える文字、たとえばポーランド語・トルコ語・ベトナム語のアクセント付き文字、ギリシャ文字、キリル文字は Roboto Bold に、中国語と日本語の文字は Droid Sans Fallback に切り替わります。どちらも Apache-2.0 ライセンスのフォントで、埋め込まれるのは透かしに使った文字だけなので、ファイルの増加は数キロバイトです。中国語・日本語用のフォントは約 4 MB のダウンロードで、文字がそれを必要とするときにだけブラウザが取得します。入力欄に最初から入っている「社外秘」も日本語なので、このフォントを使います。「社外秘 DRAFT」のように日本語と英語が混ざった文言も、それぞれの部分が適したフォントで描かれます。
韓国語のハングル、アラビア語、ヘブライ語、ヒンディー語やタイ語のように文字の形を組み替える処理が必要な文字体系、そして絵文字には対応していません。そうした文字を空白の四角形として印字する代わりに、ツールが描けない文字を示すので、文言を変更できます。短い言葉(英語なら大文字の短い単語)は、不透明度が低くても読み取りやすい傾向があります。
透かしは目印であって、鍵ではありません
透かしはセキュリティ機能ではありません。PDF 編集ソフトがあれば、ページに追加された文字は誰でも削除したり覆い隠したりできますし、透かしにはコピー、印刷、転送を防ぐ働きもありません。ファイルを開ける人を制限したいなら、PDF パスワード設定でパスワードもかけてください。
透かしを取り除きにくくしたい場合は、透かし入りのページを PDF → JPG 変換で画像にし、JPG → PDF 変換で PDF に作り直す方法があります。透かしは各画像の一部になりますが、そのぶんテキストは選択できなくなり、ファイルも大きくなります。それでも、編集が不可能になるわけではありません。
透かしを追加するとファイルが変更されるため、付いていたデジタル署名は検証できなくなります。透かしは署名の前に入れてください。透かしの処理はこのタブで動くコードが行い、PDF も入力した文字もどこにも送信されません。ご自身で確かめる方法もご覧ください。